派遣の仕組みと特徴

2025/10/09

投稿者：投稿スタッフ

派遣について｜仕組み・種類・法律・働き方をわかりやすく解説

「派遣」とは、派遣会社（人材派遣会社）と雇用契約を結び、実際の業務は派遣先企業で行う働き方を指します。
雇用主と働く場所が異なる“間接雇用”という形態であり、派遣会社・派遣先企業・派遣スタッフの三者関係で成り立っています。

近年では、働き方の多様化に伴い、派遣というスタイルを選ぶ人が増えています。
「自分の希望する職種や勤務時間で働きたい」「さまざまな企業を経験してスキルを高めたい」といった目的で、派遣を選ぶ人も少なくありません。

派遣の最大の特徴は、「雇用」と「勤務先」が分かれている点です。

派遣会社と派遣先企業の間には「派遣契約」が結ばれており、派遣先企業は「どの職種・期間・スキルの人材を求めるか」を派遣会社に依頼します。
派遣スタッフは派遣会社と雇用契約を結び、給与・社会保険・福利厚生などは派遣会社から受け取ります。

派遣にはいくつかの形態があり、雇用契約の期間や働き方が異なります。

もっとも一般的な派遣形態です。
就業先が決まった時点で派遣会社と雇用契約を結び、契約期間が終了すれば雇用契約も終了します。
プロジェクト単位や期間限定の仕事が多く、柔軟に働きたい人に向いています。

派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、複数の派遣先企業で継続して働くタイプです。
雇用が安定しており、派遣会社の正社員として扱われるケースも多く、賞与や有給休暇などの福利厚生も充実しています。

一定期間、派遣社員として勤務した後に、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶ可能性がある仕組みです。
派遣期間中に企業の雰囲気や仕事内容を確認できるため、ミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。

雇用形態	雇用主	指示を出す人	給与の支払い元	特徴
派遣社員	派遣会社	派遣先企業	派遣会社	間接雇用・柔軟な働き方が可能
正社員	勤務先企業	勤務先企業	勤務先企業	安定雇用・昇給昇格あり
契約社員	勤務先企業	勤務先企業	勤務先企業	期間限定の直接雇用
アルバイト・パート	勤務先企業	勤務先企業	勤務先企業	短時間・時給制の雇用

派遣社員は「間接雇用」であり、正社員や契約社員と異なり、派遣会社が雇用主となる点が最大の違いです。

派遣の仕組みは、**労働者派遣法（労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律）**によって厳しく定められています。

派遣社員の待遇は「同一労働・同一賃金」の原則に基づき、派遣先の社員とできる限り同等の処遇を受けるよう定められています。
また、社会保険・雇用保険・労災保険なども派遣会社が加入・管理します。

同じ職場・同じ部署で同一派遣社員が働ける期間は原則3年まで（いわゆる「3年ルール」）とされています。
ただし、部署を変えたり、派遣先企業が直接雇用したりすることで、長期的に働くことも可能です。

派遣先企業は、契約にない業務や長時間労働、無理なシフト変更・部署異動などを命じることはできません。
また、派遣会社は労働者の希望や適性に反した派遣を行ってはいけません。

派遣は柔軟性が高い働き方であり、ライフスタイルや目的に合わせて多様な選択肢を持てることが大きな魅力です。

派遣は「派遣会社に雇用されて、派遣先企業で働く」という独特な仕組みを持つ働き方です。
有期雇用・無期雇用・紹介予定派遣など、自分の希望やキャリアに応じたスタイルを選ぶことができます。
また、労働者派遣法により一定の保護があり、安心して働くための環境も整っています。

一方で、雇用の安定性や昇給制度などには限界があるため、将来的なキャリアプランも踏まえて検討することが大切です。
自分に合った派遣の形を選び、充実した働き方を見つけましょう。